映画『舞妓はレディ』のテーマは…

 私も観ましたが、昨年、話題になった邦画に京都の架空の花街「下八軒」を舞台にした『舞妓はレディ』という作品がありました。このタイトルは、1950年代にブロードウェイで6年半という超ロングランヒットしたミュージカルで、60年代には、かのオードリー・ヘップバーン主演で映画化もされた『マイ・フェア・レディ』を意識したものです。『マイ・フェア・レディ』は、ロンドンの下町の(訛りがきつい)花売り娘を言語学者の教授が半年で舞踏会でも通用するレディにするべく訓練するというストーリーです。それを『舞妓はレディ』では、同じく言語学者が東北出身で津軽弁と鹿児島弁のバイリンガル?という舞妓志望の少女に京言葉を教え込んで舞妓に仕立て上げていくという設定になっていました。

 しかし、この映画を撮った周防正行監督は、「『マイ・フェア・レディ』は先生が女性を成長させる話だけど、『舞妓はレディ』は街が人を育てる話。そこがこの映画のポイント」と述べておられます(東宝(株)映像事業部発行『舞妓はレディ』公式プログラム:2014年9月13日発行より)。花街の取材を重ねつつ、この企画を20年間温め続けていたという監督です。目の付けどころには納得しました。また、おなじところで「花街では疑似家族のような関係を結んで生活を守っている」とも述べておられます。監督にお読みいただいたのかどうかは分かりませんが、同じことを『京都花街の経営学』(2007年)で私も書いています。

  「街全体が家族みたいなもんどす」。これはある宴席で私が聞いた舞妓さんの言葉です。周防監督もどこかの席でこの言葉をお聞きになったのかもしれません。

『舞妓はレディ』プログラム

『舞妓はレディ』プログラム

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